長年にわたり、国民に愛され続いている公営ギャンブルの1つである競艇。
実は、ボートを人が操縦するという特性もあり、昔から『八百長疑惑』がつきものなんです。
競艇はあくまでもギャンブルなので、観客がお金を賭けることで運営されています。
お金を賭けている以上、本当に八百長は行われているか、当然、気になるところですよね。
今回当記事では、競艇における八百長について詳しく見ていきたいと思います。
競艇における八百長は存在する!?
競艇だけではなく、他のギャンブルでもそうですが、ギャンブルには昔から『八百長疑惑』がつきものとされていますが結論から言うと、競艇の世界でも、過去に八百長は発覚しています。
韓国の競艇でも実際に八百長が発覚したなどありましたが、国内では、2020年の1月に「西川昌希」元選手が八百長をして捕まった事は大きな話題となりました。
しかし、こちらはとても稀なケースで実際に八百長はほとんど行われておらず、舟券を購入する際にも気にする必要は無いとされています。
その最大の理由として、日本の競艇の市場規模はとても大きく、他のスポーツと比べても選手の待遇が良いことが挙げられます。
つまり、日本の競艇で八百長するメリットがあまりないと言うことになります。
競艇における過去の八百長事例
・西川昌希元選手の八百長
先程も触れましたが、2020年1月に、「西川昌希」という元選手が逮捕されました。
その内容として、2019年7月2日のびわこ競艇場でのレースで、協力者である親戚と八百長を行い、現金300万円を受け取ったと朝日新聞など各社が報じています。
さらに、その後の調査で、その他のレースでも八百長を行っていたことも発覚し、名古屋地裁から2020年10月21日に、懲役3年、追徴3725万円の判決が言い渡されました。
・江戸川競艇場で職員が舟券を大量購入
こちらはかなり過去の事例ですが、江戸川競艇場の職員が、1982年から1984年の2年間にわたり、舟券発売を締め切った後に関係者幹部の指示のもと、的中するであろ舟券を大量に発行していたという、競艇場関係者が行った八百長の事例です。
その2年の間に、約2200万円もの大金を不正に得ていたということで、当時大問題になりました。
江戸川競艇場はこの事件を受け、約3ヶ月半の間自粛を行っていますが、多くの競艇ファンに対する裏切り行為で許されることではありません。
レースに対する八百長というよりは、競艇のシステムの盲点をつき、配当金を不正に受け取るという詐欺のような案件でした。
現在はこのようなことが再発しないよう、システムも見直され、全国的に対策されています。
八百長した時の選手のデメリットは?
当然の話ですが、選手が八百長を行わないように、競艇では「モーターボート競走法」という法律のもと、厳しい規定が定められています。
※競走の選手が、その競走に関して賄賂ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
※以上、「モーターボート」競走法より引用
上記は、法律として定められているので当然、警察に逮捕される可能性が高いといえます。
八百長の約束をしただけで3年以下の懲役刑になることから、かなり厳しいことがわかります。
また、競艇選手にはレース前日の「前検日」という日に身体検査や私物検査を受けなければいけないという規定が存在し、この時に自身の携帯電話を含む、全ての通信機器を競艇場に預けなればいけません。
過去には電子手帳などの通信機器を持ち込んで、1年間出場停止になった選手の事例もあります。
このように、現在ではかなり厳しい規定が制定されており、八百長を行う際のデメリットはかなり大きいと言えるでしょう。
競艇はレースで結果を出した時のメリットの方が大きい
八百長はほとんどの場合、裏社会の人間などの協力者から、見返りとしてのお金などの報酬を受け取ることで成立します。
当然、八百長を行えば、見返りを受け取ることと引き換えに前記したように法律で罰せられ、競艇の世界にも戻ってこれません。
競艇選手の年収は、平均で約1600万円といわれていて、A2ランク以上の選手になれば、平均で約1800万円以上とされています。
競艇では1番低いランクの、B2ランクの選手でも平均で約500万円といわれています。
競艇で八百長が行われる場合には、レースに有利な選手がわざと負けなければ成立しません。
競艇では、勝率によって半年毎にランクの見直しが行われていて、八百長に加担して負けが続けば、自分のランクも下がってしまいますし、発覚した場合は当然、永久追放されます。
1回の見返りで数百万円のお金が手に入ったとしても、競艇選手として奮闘し、安定した成績をあげたほうがはるかにメリットが高いことがわかります。
八百長するとレースのオッズが不自然になる!?
2020年現在では、インターネット投票の普及もあり、舟券の売上率があがっていますが、会場数が多いことや、開催頻度が高いことなどから1レースあたりの売り上げは少ないとされています。
八百長を行う場合、協力者の取り分と、選手への見返りのお金が必要になります。
その為、八百長して的中させる舟券も、それに相当する金額分購入しなければ成立しません。
しかし、競艇は1レースあたりの売上が少ないことから、大量に舟券を購入すると、オッズが下がってしまうという特性があります。
その為、八百長をすれば不自然なオッズになってしまうので、八百長が成立しにくい環境といえるでしょう。
もちろん、重賞になれば舟券の売上も上がるのですが、重賞ではそれに応じた賞金も用意されます。
年末に開催される競艇最大の重賞とされている『賞金王決定戦』の優勝賞金は、1億円です。
選手からしてみても、リスクを犯して八百長に加担するよりも、正々堂々と勝負して優勝を狙う方が当然、見返りも大きいといえるでしょう。
レース中に身内同士でのサポートは行われている
事前に打ち合わせなどが行われることはありませんが、競艇では同じ地元の選手などを、サポートするような展開になる場合があります。
親しい先輩が2番手で走っていて、自分は3番手以下の場合などは、無理にレースに食い込むよりも、後続をブロックするように走り、先輩が勝てるようにサポートする、といったようなことです。
このようなことは事実として行われていますが、レースの規定上、違反ではありません。
仲間同士での無駄な闘いをするならば、展開によってお互いサポートする方が、長期的にみてメリットがあるということです。
近年ではSNSの普及から、サポートしたことをYouTubeなどで拡散され炎上してしまう、というようなこともある為、仲間同士でも最後まで全力で闘うケースも増えています。
選手としても最初から勝ちを譲ろうとしているわけではないので、あくまでもレース展開での状況判断でサポートしているだけといえるでしょう。
反対に、選手の特性を理解している仲間同士だからこそわかる隙をつき、1着を狙いにいくレース展開もあります。
競艇では、このような選手同士の人間関係を予想材料にする人も少なくありません。
まとめ
今回当記事では、競艇の八百長の事例などデメリットについて詳しく紹介してきました。
国内の競艇においても、過去には少なからず八百長が存在してきました。
しかし、過去の事例が発覚して競艇の公式サイトで「不正行為に関する再発防止策について」というお知らせがだされるなど、現在では八百長に関する対策も進められています。
その為、競艇を予想する上で過度に八百長を気にする必要はありませんが、同じようなことが今後おこならないことに期待したいですね。